複複線差止訴訟判決要旨   

2008年 02月 03日

判決要旨
平成20年1月29日午後1時15分 判決言渡 606号法廷
平成16年(行ウ)第470号ほか4件 小田急線鉄道施設変更工事合格処分差止請求事件
東京地方裁判所民事第2部  大門 匡(裁判長) 倉地康弘 小島清二
1 当事者
  原 告  山田キヌ子ほか15名
  被 告  関東運輸局長
2 事案の概要
  本件は,小田急電鉄株式会社小田原線(小田急線)の喜多見駅付近から世田谷代田駅付近までを高架複々線化する鉄道施設の変更工事に関し,その周辺に居住する原告らが,建設される高架鉄道施設に隣接して設けられるべき付属街路(側道)が完成していないにもかかわらず高架複々線化を進めるのは違法であると主張して,被告に対し,①当該変更工事の完成検査の結果被告がした当該鉄道施設を合格とする処分の取消し及び②当該鉄道施設の変更を前提として小田急電鉄が被告に対してした列車の運行計画変更届出の受理の取消しを求めるとともに,③当該工事により完成した高架鉄道施設に小田急電鉄が鉄道を複々線で走行させることを許す被告が行う処分一切の差止めを求める事案である。
3 主文
  本件訴えをいずれも却下する。
4 理由の骨子
  以下に述べるとおり本件訴えはいずれも訴訟要件を欠く不適法な訴えであるから却下する。
(1) 前記2①の請求について
原告らが取消しを求める合格処分は,7年間にわたり23回に分けて行われたそれぞれ独立したものであり,最初から数えて16個の処分については,処分の日から訴え提起までに1年を超える期間が経過しているので,その取消しを求める訴えは不適法である(平成16年改正前の行政事件訴訟法14条3項(現行法の同条2項と同じ規定))。
また,上記各合格処分の根拠法規である鉄道事業法及び関係法令等の検討によれば,周辺住民である原告らにはそもそも上記各合格処分の取消しを求める原告適格がない。
(2) 前記2②の請求について
原告らが取消しを求める列車の運行計画変更届出の受理は,取消訴訟の対象となる行政庁の処分ではない。
(3) 前記2③の請求について
原告らが差止めを求める「一切の処分」は,特定することができないため,差止訴訟の対象となる「一定の処分」とはいえない。
以上
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by kangyokyo | 2008-02-03 15:14

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